2012年5月13日日曜日

情熱大陸 山崎亮(37) 空き地の有効活用




コミュニティデザイナー。客足の途絶えた商店街に人を呼び、島根県にある小さな島に人を集め、「奇跡の島」と言わしめた。人のいなくなりつつある場所に人を呼ぶ仕事。

「ドライに言えば金にならないとダメ、ウェットに言えばお金じゃなくても良いんですよね、社会に貢献できていれば」と、コミュニティデザインの仕事を説明する姿は、人懐こい人柄が垣間見えます。体育会系の肉体に短髪で、見た目も爽やか。流暢に次から次へと言葉が出てくるのは学者のようであり、詐欺師のようにも見えます。しかし、外見の爽やかさやカジュアルなTシャツ姿になぜか安心感を抱きます。

以前には、建築設計事務所にいて公園のデザインをしていたようで、当時の関係者に話を聞くと、「これが仕事になるとは…」と驚いています。山崎は、中学までに4回の転校をしており、人に取り入るのが上手い。人間関係の観察ばかりしていたと言います。転校初日に挨拶が済んで席についたときに、真っ先に声をかけてくる子はクラスのボスではない…と見抜いたという面白いエピソード。


「住んでくれる人が1人でも良いので住んでくれれば。」五島列島にある過疎の村、住民が9人しかいない集落があります。そこに人を招き入れるには、どうすればいいのでしょうか。まず、全ての住民に会って会話し、人となりを知るようです。相手が話し始めると頷くばかりで、聞き役に徹しています。


山崎のオフィスは梅田にある「studio-L」。スタッフが6人。山崎はいま東大の院に通う学生の顔もあり、オフィスでも論文を書いています。「博士論文をまとめないとその道の専門家と認めてもらえない」と説明する。

マルヤガーデンズがオープン、希望されているのは賑わいの復活。地下の食品街で無農薬野菜を販売していたNGOが苦戦しています。販売コーナーの見た目が悪いことに原因があるのではないかとみた山崎は、デザインをしている地元の学生をNGOのトップに引き合わせます。コミュニケーションする場を作ることで、問題解決の糸口を探るようだ。


さて、五島列島の過疎の村はどうなったでしょうか。村民全員を呼び、旅行者を少人数ずつ招き入れて、みんなが関わり合おうとプレゼンをします。プロジェクター前で説明するときも決して上からものを言わず、相手をうまく立てています。「勝手に書いちゃってしまいましたが、味噌作りの先生になって欲しいなと思いまして」と、人々と対話したときに出てきた話題をきちんと織り込んでいます。この辺りがポイントのような気がしました。この過疎村には、綺麗な海があり、隠れキリシタンが切り拓いたという文化もある。これは、人が集まりそうです。




▼本からの情報

「コミュニティデザイン」
山崎の仕事をザッとまとめている本です。
仕事別に項目だてられているので分かりやすいです。






▼北加賀屋みんなの農園

スタジオエルのサイト
http://www.studio-l.org/


近くのプロジェクトを検索してみましょう。
http://www.studio-l.org/project/16_kitakagaya.html
http://minnanouen.jp/

「北加賀屋みんなの農園」では
15,000円の半年会費を払ってメンバー登録できるようです。
近場で農業を学んだり、都市内の空き地の有効活用を考えたり
実際にプロジェクトを体感できるのは良いですね。


空き地の有効活用に駐車場が一般化されていますが
人の集まる場所を作るのは、求められている気がします。



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